華昇のワインレッスン 初夏のワイン編



2002年8月まで 楽天に有った 華昇さんのワインのHPから ドイツワインの部分を 抜き出しました 華昇さんの承諾を得ています





味のレッスン7 ゲヴェルツトラミネール (5) 4月18日(木)

中華料理に合わせるワイン、またスパイシーな強い香辛料を使ったお料理に合わせるワインはどんなものがありますかというご質問に、いつもお答えするのがこの白ワインです。ゲヴェルツトラミネールという舌をかむような名前は、ブドウ品種名です。もともとはアルザスやドイツで造られていましたが、最近はオーストラリアやカルフォルニアでも生産されています。スパイシーなお料理に合わせるときには、それに負けないような強い赤ワインを持ってくることも一つの方法ですが、合わせてみると失敗することが多いです。ゲヴェルツトラミネールなら、スパイスをつつみこむような包容力があります。

甘口に仕立てたワインだけでなく辛口のワインもありますが、スパイスの量が多いときには甘口の方がいいと思います。このワインは強烈な個性を持っていますが、とても上品で飲みやすいワインです。色は若いときから、濃い目の美しい黄金色。麝香、ターメリックなどの東洋的なスパイシーさ、トロピカルフルーツのたとえばライチ、マンゴなどの香り、バラなどかぐわしい花の香りなどがいりまじり、複雑で特徴のある香り。お料理のスパイスには負けないだけの強さを持っています。それでいてしっかりした酸がありますので、味も濃厚で余韻も持続していきます。

外国を含め、知らない土地に行って食事をする場合は、はずれがないのがホテルの中華料理。世界中、中華料理はどこにでもありますしね。外国旅行が長くなると、懐かしいお料理を食べれば、おなかも落ち着いて本当に助かります。ただし、ホテルのお料理やワインの値段はとても高いので、合わせるワインもリーズナブルな選択になります。特別なものを除いて、割合にお求め安いワインです。もし、ワイン・ショップでみかけたら(アルザスのものが多いです)チェックすべきワインだと思います。重宝しますよ。



味のレッスン8 モスカート・ビアンコ 4月19日(金)

今週はほとんど甘口白ワインのご紹介をしています。味のタイプ別にワインを勉強していくには、いろいろな方法があると思います。今回の味のレッスンでは、まず、みなさまが親しみやすい甘口の白ワインというのを理解していただいたうえで、ゆっくりとワインの味のレッスンを続けていくつもりです。思いつくままのレッスンですし、初心者の方を対象に少しでもワインに親しむことが出来ることがこのレッスンの主旨ですのでご了承ください。

本日はリーズナブルで飲みやすく甘口の白ワインのブドウ品種のイタリアのモスカート・ビアンコ(Moscato Bianco)のご紹介。アルザスでは ミュスカ・ブラン(Muscat Blanc)、アメリカではマスカット・カネリ(Muscat Canelli)と呼ばれます。そうです。みなさまがよくご存知のマスカットのぶどうから、できたワインということです。

香りも味もマスカットそのものです。アルザスのワインは辛口もありますので、甘いワインが苦手でマスカットの味に興味がある方にもお勧め。ただし、値段はイタリアのモスカート・ビアンコから造られたワインが格安です。1000円前後でしょうか。うんと冷やして、休日の遅めのランチなどにお楽しみになるのもいいですね。今週の週末ぐらいにいかがでしょう?

ミュスカ、ミュスカデ、ミュスカデル (6) 4月22日(月)


それぞれに違う白ワイン用のブドウ品種名です。先週、甘口の白ワインのレッスンでイタリアのモスカート・ビアンコの異呼称のフランスのアルザスなどで栽培されるミュスカ(Muscat)をご紹介しました。

それをうけて、早速にドイツのG-panさんが甘口白ワインをいろいろと試してくださいました。ありがとうございます。とても嬉しく思いました。ところが、ホーム・ページを拝見していると、あれれ、なんと、フランスのロワールのミュスカデ(Muscadet)を購入されています。似ていますものね。ミュスカとミュスカデ。それとは別に、同じ白ブドウ品種でも、ボルドーや南西部で栽培されるミュスカデル(Muscadelle)という品種もあります。ややこしいですね。

ロワールのミュスカデで造られるワインは辛口白ワインです。アルザスのミュスカは辛口、甘口の両方を作りますが、辛口にしても味わいがまったく違います。せっかくの機会ですから、本日のレッスンでミュスカデの説明をいたします。

ミュスカデはの色調は、淡くて緑色が強く感じられます。レモンやグレープフルーツ、青いりんごをさくさく切った時のような香り。軽く、すっきりした、爽やかで飲みやすい、和食にも合いやすいワインです。ミネラル香が生牡蠣とよく調和し、高級なシャブリを避け、こちらのワインを合わせる方も多いですね。お値段も1000円前後から、3000円ぐらいまでいろいろなワインがあります。

ミュスカデの特徴はその造り方にあります。アロマのところでも触れましたが、シュール・リー(sur lie)という造り方です。醸造過程で発生した澱は、ふつうはすぐに澱引きして瓶に詰めますが、シュール・リー製法では収穫して、醸造後から冬を越し、翌年の3月まで醗酵槽の中におき、6月までに澱は底の方に沈めたまま、上澄みだけを瓶に詰めます。この製法により、若々しくフル-ティで飲みやすいワインができあがるのです。

ドイツ在住のGーpanさんが購入されたワインは、ミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーヌというロワールのペイ・ナンテ地区のワインです。ご主人は酸味があるタイプのワインがお好きなようですが、やはりお国柄のような気がいたします。他にもワインの感想を書いていらっしゃるので、ぜひお遊びにいらしてください。G-panさんはこちら!
それにしても、ドイツはワインがお安いようで、うらやましい限りです。ホワイト・ジンファンデルまで、探していただいて恐縮です。ホワイト・ジンファンデルはアメリカのロゼと伝えたほうがわかりやいでしょう。







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